子育て・妊娠出産

TOLACを希望しましたが、断念して帝王切開での出産となった話。

TOLACを断念した話

長男が逆子だったため1人目を帝王切開で出産したのですが、2人目を妊娠中、出産予定の病院で既往帝王切開でも経腟分娩に挑戦できると知り、*TOLAC(トーラック:既往帝王切開後、妊娠の経腟分娩トライアル)を希望しましたがやむを得ず途中で断念し、2人目も帝王切開で出産した話です。

*TOLAC: Trial of labor after cesarean delivery
TOLACに成功したこと(一度帝王切開を経験した人が、次の妊娠で経膣分娩できたこと)をVBAC(ブイバック)といいます。

1人目を帝王切開で出産したので、2人目も帝王切開で出産することになるのだろうと漠然と思っていたのですが、里帰り先の病院で、妊娠の経過が順調なので経膣分娩、TOLACでの出産ができますけど希望しますか?と先生に聞かれ、TOLACでの出産について考え始めました。

なんせ1人目を帝王切開で出産した際、術後の傷の痛みが半端なく、手術当日の夜は歯を食いしばりすぎて顔がパンパンに腫れ、顔の両側にアイスノンを当てて冷やしながら泣いたほど。
できれば二度と帝王切開を経験したくない!と思っていました。

TOLACを希望した理由

1. 1人目出産時の帝王切開手術後の痛みが酷く、帝王切開手術自体にトラウマがある。

2. 術後の傷の痛みを気にせず、長男を早く抱っこしたり、寂しい思いをさせたくない。

3. 出産予定の病院で、友人がTOLACによる経腟分娩に成功している。

上記の理由と、子宮破裂などのリスクも家族とよく相談した上、
TOLAC挑戦中でも、なにか少しでも問題があればすぐ帝王切開に切り替えてもらうということで、TOLACを希望することにしました。

そして突然迎えた入院当日の朝

37週0日の早朝トイレに行くと、パジャマのズボンが濡れていることに気づきました。
2人目妊娠中からたまにクシャミなどをすると尿もれすることがあったので、尿もれしたのかな?と思い、匂いを嗅いでみても無臭。
これはもしかして破水しているのでは?いやでもただの尿もれかな?と思いつつ、心配だったので念のために産院に電話をすることに。

看護師さん
看護師さん
入院準備を持ってすぐ病院に来てください!

と言われたので、朝6時に入院グッズを詰めたバッグを持って病院に行くことに。
早速病院に着いて先生に診察してもらったところ、*高位破水しているということがわかったので、そのまま入院となってしまいました。

*高位破水 …… 子宮口から遠い、子宮の高い部分で起きる破水のこと。子宮口近くで起こる破水よりも流出する羊水の量が少ないため、尿漏れなどと間違われ、破水が起きたことが気付かれない場合もある。

ちえ
ちえ
そういえば破水した前日の夜に何回かお腹が張っていたような気がするよ。

破水した前日の夕食時に、何回かイタタタ…という痛みを感じていました。

高位とはいえ破水しているので、そこから細菌感染しないように抗生剤を飲みながら陣痛を待つことに。

全然陣痛が来ないので、階段を登ったりスクワットしたりしたかったのですが、破水しているのでトイレ以外はあまり動かないでください。と助産師さんに言われてしまい、ベッドの上でおとなしく陣痛を待つことに。

朝5時半に破水に気付いてから、昼、夜と陣痛を待つも一向に陣痛が来てくれませんでした。

先生にたまにお腹をさするといいよと言われていたのですが、なぜか急にびびってしまったのと、破水が酷くなってしまうような気がしてあまりお腹を触れずにいました。

ちえ
ちえ
今考えたら、あの時早めにお腹をよく触っておけば自然に陣痛が来ていたのかもと後悔しています。

実際は破水しても常に新しく羊水が作られているので、羊水がなくなってしまうことはないようです。

それでもあまりにも陣痛が来ないので、夜10時頃から意識してお腹をさするようにしてみると、夜0時頃から生理痛のような痛みが続き、これは陣痛が来ているのでは?と思いアプリで記録をつけるとなんとなく20分間隔に。
そこから2時頃15分間隔になり、10分間隔になり、8分間隔になり、痛いなぁ痛いなぁ…と耐えていると、、、気付いたら寝てしまっていました笑。

陣痛というより、ただの*微弱陣痛だったようです。

微弱陣痛 …… 一旦分娩開始した(陣痛の間隔が10分以内ごとであり 、痛みを伴う子宮収縮により分娩が進行)にも関わらず、陣痛の強さが弱く、発作の持続が短く、かつ陣痛の間隔が長くなってしまい、分娩が進行しない状態。

そしてそのまま朝を迎えてしまったのですが、朝になったらすっかり陣痛が遠のいてしまい、この時点でまだ子宮口が1.5cm~2cmしか開いていませんでした。

本来ならここでバルーンなどを入れて子宮口を開いて陣痛を促すみたいなのですが、先に破水してしまっているので細菌感染のリスクがあるのでバルーンは入れられないそう。

TOLACの場合、最初に破水が来てしまったら自然な陣痛を待つしか出産方法がない!そうです。

帝王切開既往歴があるため*陣痛促進剤は使えない」というのは事前に説明を受けていたのですが、破水した後だとバルーンが使えないというのは知りませんでした。
*病院によっては促進剤を使えるところもあるようです。

というのも、友達がTOLACで出産した際に、陣痛が来て入院したもののうまく陣痛が進まず、翌日バルーンを入れて子宮口を開いて出産したと聞いていたんです。

ちえ
ちえ
TOLACだと破水していたらバルーンを入れられないって聞いてなかった。

破水から丸1日、24時間以上経過してしまったので、抗生剤を飲んでいるとはいえ感染症のリスクが上がるのでこれ以上は陣痛を待てない、帝王切開に切り替えると先生から言われてしまいました。

先生
先生
そもそも帝王切開既往歴がある妊婦さんが破水した場合、他の病院ではすぐ緊急帝王切開になるよ。

うちの病院だから抗生剤を出したり経過を注意深く観察したりして24時間待ったけど、うちでもこれ以上はただリスクがあがるのを待っているだけになるからもう待てないよ。

あともう1日待ちたい!と懇願してみたのですが、もし待ってみて赤ちゃんが細菌感染してしまったら、生まれた直後から点滴で投薬したり治療しなきゃいけなくなりますよ?と言われ、私のエゴのせいで赤ちゃんがしんどい思いをするのは嫌だな…と思い、帝王切開承諾の書類にサインしました。

サインしてからはもう早い早い!サインして1時間であっという間に手術となりました。
※事前に帝王切開の可能性を考慮して、朝から絶飲食していました。

ちえ
ちえ
TOLACを断念したので、ここからは帝王切開の話になります


帝王切開については2回目なので流れはわかっていたのですが、わかっている方が怖い!1人目の時は何もわからないで挑んだので正直舐めていたのですが、手術中の怖やさ術後の痛みを知ってしまった2回目の方が精神的には辛かったです。

まず、硬膜外麻酔をするために背中に管を通す(管を通す前にちゃんと背中に麻酔の注射をうってくれます)のですが、それを想像しただけで怖い。
幸い、1人目のときは管を通すときには痛みを感じず、背中をぐっと押される感じがするだけだったのですが、今回は背中の奥を太い針で刺されたような痛みがあり、痛いですと訴えて痛み止めを追加してもらいました。

また私の場合、1人目のときも2人目のときも、この麻酔を入れた直後から吐き気と呼吸が苦しくなる副作用が出るのが辛かったです。
気持ち悪い、吐きそうです、苦しい、息ができないですと素直に訴えるとすぐ対応してくれます。

あと、赤ちゃんを出す際に臓器を引っ張られる感覚と、お腹をぐぐっと押される感覚が気持ち悪く、深呼吸とともにうーんうーんと唸っていました。

そしてあっという間に赤ちゃんと待望のご対面!
帝王切開での出産であってもやはり毎回感動します。

出産後は縫合などの処置のために口にマスクを当てられて麻酔を追加されるため、目も開けられない状態になりますが、ぼんやり意識があるような感覚になります。2回とも幾何学的な変な夢を見ている間に手術が終了しました。

術後1人目の時はあれほど痛かった傷の痛みですが、1人目の辛い経験から、我慢せずに痛みが強くなる前にすぐ痛み止めの点滴を追加してもらったため、生理痛くらいの痛みで耐えることができ、さらに1人きりでゆっくり寝られる機会が長男を出産してから4年間ほとんどなかったせいか、なんと手術当日の夜も爆睡!術後の経過もかなり順調で、2人目の帝王切開はとても回復が早かったです。

1人目の時は術後痛くても忙しそうな看護師さんになぜか遠慮して、痛み止めを追加してくださいと言えなかったので術後も痛みで全く寝れなかったのですが、今回は少しでも痛くなってきたら正直に痛いと伝えて痛み止めの点滴をしてもらいました。
痛み止めのおかげで術後もよく眠れたので、本当に身体が楽でした。

ちなみに痛み止めの点滴が終わった後も、傷が痛くなってきたら飲み薬の痛み止めを何回かもらいました。
いやぁ、なんで1人目の時あんなに痛みを我慢していたのか自分でも不思議です。

ちえ
ちえ
1人目の時も、痛いから痛み止めくださいってちゃんと言えば良かった。


しかも1人目のときは、経膣分娩した他のママさんたちが分娩後1日で赤ちゃんと母子同室になっているのに対し、自分は傷が痛くて歩いて赤ちゃんにも会いに行けず、母子同室にもなれず、母乳もあげることもできず…とかなり精神的に参って泣いたりしたのですが、今思えばその後嫌でもずっとお世話することになる赤ちゃんを、プロである看護師さんたちに安全に預かってもらって一人でゆっく休ませてもらえるなんて最高!と2人目の帝王切開は身体だけでなく精神的にもかなり楽でした。

1人目のときは二度と帝王切開はしたくない!と思っていましたが、
今は3回目を経験しても良いかな~とまで思っています。